本プロジェクトは、年の中心部という圧倒的な利便性を亨受するヴィンテージマンションを舞台にしたリノベーションである。子育て期を終えた夫婦が郊外の戸建から都市へと拠点を移すーーこれはReeLが提唱する「多極集中型社会」における斉熟した暮らし方を、そのまま体現する選択と言えるだろう。専有面積約85㎡、間取り4LDKというゆとりある構成は十分に魅力的であったが、老朽化した内装と設備には更新が必要だった。当初からクライアントは、終の棲家としてふさわしい”静けさと上質さを兼ね備えた空間”を求めており、設計の軸はその要望をどのように現代的な住環境へ昇華させるかにあった。木目とベージュを基調に、要所でブラックを差し色として用い、さらにタイル素材の質感を巧みに差し込むことで、空間は過度な主張を避けながらも確かな存在感を獲得している。間接照明の繊細な光がそれらを柔らかく包み込み、結果として全体は落ち着きとラグジュアリーが共存する、成熟した美意識の空間へと導かれている。クライアントがReeLもモデルルーム「Vintage01」に共感した理由が、この住まいを通して明確に理解できる。期待に応えるだけでなく、むしろその先へと更新したとも言える完成度で、多極集中社会の一つの理想像としての住まいがここに具現化した。
Data&Credit
| YEAR | 2024年12月 |
|---|---|
| LOCATION | 新潟市中央区 |
| CATEGORY | 住宅 |
| STRUCTURE | RC造 |
| TOTAL AREA | 85.00㎡ |
| FLOOR | 4LDK |
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