新潟市中心部という利便性に富む立地にありながら、相対的に災害リスクの低い高台に構える築40年以上のヴィンテージマンション。本作「Vintage03」は、その一室を舞台としたスケルトンリノベーションである。改修前の間取りは3LDK。二間続きの和室が象徴するように、昭和期の住まいの名残が色濃く漂っていた。だが、スケルトンリノベーションの醍醐味は既存間取りからの解放にある。本計画では個室を最大限にとどめ、余白となった空間をシューズクローゼット、ウォークインクローゼット、食品庫など、現代生活に不可欠な機能へと再配分した。さらに浴室・トイレを除く全室を引戸によって連続させることで、回遊性と多方向への動線が確保され、住まい手の時間的ストレスを解消している点も特筆に値する。また「Vintage」シリーズに通底する姿勢として、築40余年の年月が刻んだマテリアルの風合いをデザインの中に積極的に取り組んでいる。過度な演出を排した普遍的で上質なインテリアは、既存部材の穏やかなエイジングと歩調を合わせ、今後さらに時間とともに美しく育っていくに違いない。そして、この住まいを象徴するのが、購入の決め手となったという眺望だ。LDKに埋め込まれたヌックからは、新潟市の多層的な表情を凝縮したような景色が広がり、外の景色と内側のインテリアが互いに変化し合いながら、日々異なる物語を紡いでいく。ヴィンテージマンションが持つ時間の深みと、現代的な空間設計が見事に調和した、成熟した都市居住の新たな一形態といえるだろう。
Data&Credit
| YEAR | 2025年10月 |
|---|---|
| LOCATION | 新潟市西区 |
| CATEGORY | 集合住宅 |
| STRUCTURE | SRC造 |
| TOTAL AREA | 69.57㎡ |
| FLOOR | 1LDK |
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